2010年10月25日月曜日

里山里海プロジェクト、COP10において多彩な活動を実施

10月19日
日本の里山をモデルに人と自然の共生を目指す国際組織「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)」の発足式典が19日開かれ、金沢大学から中村浩二教授、中山節子特任助教が出席し、環日本海域環境研究センターとして国際組織に参加することになりました。

中村教授は「海外の研究者を能登に招いて、能登で育まれた里山保全のノウハウを途上国にも伝えたい」と抱負を述べています。

※ SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)
里山イニシアティブは生態系を守りながら漁業や農業の営みを続ける「持続可能な利用」という概念であり、今後、生態系保全を考える上で世界共通の基本認識となる見込み。

10月22日
国連大学高等研究所などが中心になって、研究者や行政担当者ら200人が携わった研究「日本の里山・里海評価(JSSA)」の成果報告会が22日に開催されました。評価の中核を担う「科学評価パネル」の共同議長を務める中村浩二教授が総括の発言をしました。

2007年にスタートしたJSSAは過去50年の国内の里山里海をテーマに自然がもたらす生態系サービス(恩恵)の変化を調べたもので、日本人の思い入れが深い里山里海について、初めて科学的な分析でまとめられたことになります。

評価は、従来の研究や数値データを集約する手法で、里山や里海の荒廃と生態系サービスの劣化が日本各地で広がっている状況が裏づけられました。パネル討論の中で、中村教授は「今後10年間の研究プログラムを組み、政策提言することが必要」と述べました。なお、北信越クラスター(石川、福井、富山、新潟、長野の各県)の評価書の作成にあたっては、石川県庁の全面的協力があり、「里山里海サブグローバル評価」のなかでボトムアップの事例として注目されていました。


10月23日、24日
COP10公認の「石川エクスカーション」が23日と24日の2日間の日程で開催されました。石川県の自然の魅力や保全の努力をアピールしようと石川県が企画、金沢大学が支援しました。参加したのは、世界17カ国の研究者や環境NGO(非政府組織)メンバーら約50人です。

能登町の長龍寺本堂で行われた里山里海セミナーでは中村教授が金沢大学の能登半島での取り組みを紹介しました。参加者から、どのような仕組みで大学と地域が連携するのかについて質問が出ました。
また、「春蘭の里」の人々たちの心尽くしの山菜料理を参加者が味わい、外国人参加者は、赤御膳が珍しく、会話が弾みました。

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